”サルワカNFT解説”に対する違和感~マスアダプションへの道~

”サルワカNFT解説”に対する違和感~マスアダプションへの道~
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マスアダプションの”手段”

NFT界隈にいると、よく「マスアダプション」という言葉を見聞きします。直訳で「一般浸透」「大衆普及」といったところでしょうか。要するに、一般の人々に拡がることを指しています。

僕もNFTを事業としてやっているので、「マスアダプション」がいつ実現するかは死活問題です笑。ただ、僕が気になっているのは、”どのうようにNFT拡めていくか”という手段です。

もちろん、手段は一つや二つではありませんが、僕たちは皆、”極力わかりやすくNFTを伝える”チャレンジをしています。具体的には、横文字やカタカナを使わずにNFTを説明したり、「NFT」という言葉自体を使わずにNFTの魅力を広めたりする試みです。

NFTの難解な部分をオブラートに包んで、一般の人々に訴求する手段を僕たちは選択しがちです。僕自身もブログや本を書くので、常に”わかりやすさ”を念頭に置いたコンテンツ作りに取り組んできました。

(”極力わかりやすく書いた”筆者の本です↓)

ただ最近は、その”わかりやすく”が過剰になっているように感じます。

NFTの技術特性

NFTの普及には難しさが伴います。技術的な側面や専門用語に触れずに、一般の人々にNFTを分かりやすく伝えるのは容易ではありません。NFTを取り巻く環境やコンセプトを、できるだけ明快に説明することが求められます。

しかし、その試みが行き過ぎてしまうと、本質を失う可能性もあります。NFTの魅力や可能性を伝えるためには、バランス感覚が重要です。理解しやすさを追求する一方で、NFTの本質を見失わないようにすることが大切だと考えます。

新たなテクノロジーであるNFTは、その技術の本質を理解する必要があります。単に表面的な側面に触れるだけでは、興味深さを感じられないでしょう。かわいい女の子のイラストをアイコンにするだけでは、失望するかもしれません。

ブロックチェーンやデジタルデータに番号を付与する仕組みを理解することが重要です。この理解を欠いたまま、”かわいいい女の子”のイラストを手に入れるだけや、将来的な価値上昇に期待するだけでは、早晩市場からの退場が関の山でしょう。

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NFTとインターネットの類似性

NFTの発展は、インターネットの普及と似ています。1995年のWindows95の登場時でも、インターネットはまだギーク(オタク)のおもちゃに過ぎませんでした。

当時、OSI参照モデルやTCP/IP階層モデルといったネットワークの基盤に興奮し、テクノロジーの魅力を感じた人たちが先駆者でした。彼らの興味や情熱によって、徐々にインターネットが一般に広がっていき、今では階層モデルを意識せずに使われるようになりました。

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ネットワークエンジニアとして」参照

ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグなどの大物も、プログラミングやテクノロジーに夢中になったオタクだったのでしょう笑。彼らは言葉と、新たなサービスで、プレゼンテーションを通じてインターネットの魅力を伝えてきました。

NFTも同様に、その本質的な魅力を伝えるためには、”耳に優しい”言葉のら列ではなく、実際のサービスやプレゼンテーションが必要です。ビル・ゲイツやジョブズ、インターネット黎明期を作った偉人と同様、NFTに魅了されたオタク的な人々は、その興奮を共有し、言葉だけではなく実践的な活動を通じてNFTを普及させることが必要になるでしょう。

将来的には、NFTもインターネットと同様に、一般的な存在になると思います。ただし、それは一気に起こるのではなく、グラデーションであり、NFTに魅了された人々の輪が広がっていく地味なモノです。NFTの深遠な魅力を伝えるためには、単なる表面的な言葉や煽り文句ではなく、その技術の特性や可能性を具体的に伝えることが求められます。

ブロックチェーンのトリレンマ

NFTの「マスアダプション」について考える際に、「ブロックチェーンのトリレンマ」というキーワードが頭に浮かびます。みなさんはこの言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ジレンマという言葉はよく知られていますが、トリレンマとは、2つの選択肢を得るために1つを犠牲にせざるえない状態を指します。ブロックチェーンにはこのトリレンマの問題が存在し、分散性、セキュリティ、スケーラビリティ(拡張性)という3つの選択肢を同時に実現することが難しいとされています。

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野村総合研究所「決定版Web3」より引用

具体的には、分散性とセキュリティを求めるとスケーラビリティが犠牲になり、分散性とスケーラビリティを重視するとセキュリティが犠牲になります。また、セキュリティとスケーラビリティを追求すると分散性が損なわれます。

このような状況が「ブロックチェーンのトリレンマ」と呼ばれています。NFTに触れたことがある方ならば、おそらく分散性とセキュリティを追求する一方で、スケーラビリティが犠牲になっている構図をイメージしやすいと思います。

イーサリアムのスケーラビリティ

イーサリアムのブロックチェーンは、分散性とセキュリティの面で非常に高い水準を保っています。しかし、最近のDeFiやNFTのブームにより、トランザクションの増加やガス代の高騰といった課題が生じました。

ガス代の高騰により、イーサリアム上での頻繁なNFT取引が困難になりました。高額なガス代を支払わなければならず、その費用がNFT自体よりも高くなることもあります。そのため、一部の”裕福”な人以外は利用しづらくなり、スケーラビリティの問題が浮き彫りになりました。

ガス代とは、ブロックチェーン上でトランザクションを実行する際に支払う手数料のことです。ガス代は、トランザクションの処理にかかる計算リソースやネットワークの使用料として発生します。イーサリアムの場合、トランザクションの複雑さやネットワークの混雑具合に応じてガス代が決まります。DeFiやNFTブームによってトランザクションの数が増加し、ガス代が高騰したため、一部の利用者にとっては負担となっています。

ガス代安ければ、もっと”使える”よね

ブロックチェーンのスケーラビリティについて触れた理由は、マスアダプションと関係しているからです。具体的には、ガス代の問題が関わってきます。みんながブロックチェーンを利用する場合、ガス代が安価であれば積極的に利用するでしょう。

僕もNFTプロジェクトでフリーミントを実施していますが、ガス代が高いために「フリー」と完全には言い切れず、引っかかりを感じます。実際は無料ではないという状況です。

このような事情を切り取ると、ブロックチェーンのトリレンマが浮かび上がります。分散性とセキュリティを保つためには、スケーラビリティの問題が生じるのです。

しかし、この問題に対しても、テクノロジーの進化によって解決策が出てきています。オフチェーン、レイヤー2、ロールアップなど、さまざまな新しい技術が登場し、スケーラビリティの課題に取り組んでいます。イーサリアムのネットワークをあまり使用せずにガス代の問題を克服しようとしています。ワクワクするでしょ?笑

”NFTを伝えること”とトリレンマ

”NFTを伝えること”にも、トリレンマに似た構造があります。”小学生でもわかる”を意識して平易な言葉を並べても、NFTの魅力を伝えるのは難しい。時には難しい言葉を使うことも必要かなと思います。相手のリテラシーを上げる意味でも。同時に、わかりやすく伝えることも重要。これこそトリレンマのような話ですね。

そんな事を考えながら、一人のNFTプレイヤーとして、市場の拡大、マスアダプションに寄与していきたいと思っています。

カタカナが多い記事になりましたね笑
すいません…。

今回はこの辺で。
アディオス!!

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この記事を書いた人

恋に落ちるNFTプロジェクト「ZUTTO MAMORU」Co-Founder。
好きなこと:ま妄想。

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